には

には
I
には
(連語)
〔断定の助動詞「なり」の連用形「に」に係助詞「は」の付いたもの〕
(「にはあらず」「にはあれど」などの形で用いられて)「では(ない)」「では(あるが)」などの意を表す。 多く否定または逆接の表現と呼応する。

「大君の命(ミコト)恐(カシコ)み大殯(オオアラキ)の時~あらねど雲がくります/万葉 441」「うたがはしき御心ばへ~あらず/源氏(澪標)」

II
には
(連語)
〔格助詞「に」に係助詞「は」の付いたもの〕
(1)時・場所・対象, 比較の基準など, 格助詞「に」で示されるものに, 特にとりたてる気持ちを表す係助詞「は」の意味が加えられる。

「九時~行きます」「空~たくさんの星が輝いている」「今度の旅行~行きません」「君~とてもかなわないよ」

(2)尊敬の対象となる人物を主語として表すことを避け, 間接的に尊敬の意を表す。

「先生~お変わりもなくお過ごしのこととお喜び申しあげます」

(3)(「…には…が」の形で, 動詞・形容詞などを重ねて)その動詞・形容詞などの意を強めて言い表す。

「行く~行くが, 何の自信もない」「ほしい~ほしいが, いっこうくれそうにもない」

(4)「…する時には」「…の場合には」「…したら」などの意の, 軽い仮定条件を表す。 古語では, 「むには」の形で推量の助動詞「む」を受けることが多い。

「始発に乗る~四時に起きなくてはならない」「かぐや姫すゑむ~, れいのやうには見にくしとのたまひて/竹取」

(5)「…にとっては」の意を表す。

「ぼく~, ぼくの考えがある」「まめやかの心の友~, はるかにへだたる所のありぬべきぞわびしきや/徒然 12」


Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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